AIで感動する人、しない人:思考の「代数」と「幾何」を分けるもの

最近、AI(人工知能)を巡る議論の中で、「AIは便利だが、それ以上の何物でもない」という冷めた声と、「AIによって自分の思考が劇的に拡張された」という興奮の声の二極化が進んでいるように感じます。 この差は一体どこから生まれるのでしょうか。単なるリテラシーの差ではありません。それは、AIとの向き合い方が「調べ学習」に留まっているのか、それとも「思考の壁打ち」にまで昇華されているのかという、スタンスの […]

デジタル・シャッターの時代:24時間稼働の終焉と「営業中」の再定義

かつて、インターネットの最大の恩恵は「24時間365日、世界中の誰とでもつながり、あらゆるサービスを享受できること」だとされてきました。物理的な距離や時間の制約を打ち破ることこそがデジタルの正義であり、Webサイトに「定休日」や「営業時間」があるなど、前時代の遺物、あるいは単なる怠慢だと切り捨てられてきたのです。 しかし、2020年代後半、私たちは皮肉な事態に直面しています。AI(人工知能)の爆発 […]

政府に成長を強制する「国民所得防衛法」――課税最低限を毎年5万円引き上げる、逃げ場なき構造改革

日本の政治・行政システムにおける最大の問題は、「リスクを負うのが常に国民だけで、政府が責任を取らない」という不公平な構造にあります。不況になれば国民の所得が減り、物価が上がれば生活が困窮する。一方で、政府は「財源不足」を理由に増税を検討し、自らの失政による経済停滞のツケを国民に回し続けてきました。 この不公平を根本から打破し、政府に「国民を豊かにする義務」を強制的に負わせる合理的なシステム、それが […]

弱者インセンティブを肥大化させる政治では未来はない

「弱者を探す政治」が招く国家の機能不全 現代の日本政治は、大きな転換点を迎えている。かつての政治が「いかに国を豊かにするか」を競っていたのに対し、今の政治は「いかに支援が必要な弱者を見つけ出し、手厚く保護するか」に血眼になっている。いわば「弱者を探す政治」へと変質してしまったのだ。 しかし、この「弱者を探す政治」が加速させた「弱者インセンティブ」の肥大化こそが、日本という国家を内側から腐らせ、未来 […]

善意の政治から「設計の政治」へ:Buckland Reviewが示唆する21世紀の制度設計

現代社会において、政治の役割とは何でしょうか。「弱者を救済すること」「格差を是正すること」――。こうした言葉は、一見正しく、道徳的に聞こえます。しかし、英国で発表された自閉症者の雇用に関する報告書『Buckland Review』を読み解くと、これまでの私たちの「政治」に対する前提がいかに不全であったか、そしてこれからの時代に求められる真の政治の姿が浮き彫りになります。 今、日本に必要なのは「投資 […]

網目を細かくするほど、日本の生産性は死んでいく:社保逃れ騒動から考える「制度の敗北」

最近、維新の会議員らが一般社団法人の理事に就任し、意図的に報酬を低く設定することで社会保険料を安く抑えていた「国保逃れ」のニュースが世間を騒がせています。当局は「網目を細かくして是正する」と息巻いていますが、果たしてそれは正解なのでしょうか。 この問題の本質は、個人の道徳心以前に、日本の制度そのものが「抜け漏れ・ダブり」だらけの、論理破綻したパッチワークになっているという点にあります。 1. 「網 […]